カヌーの歴史から激流を制し日本人選手の活躍と人気向上への期待

カヌー 競技種目

オリンピックでのカヌー競技の位置づけとして、2016年のリオデジャネイロオリンピック以前までは正直あまり目立った競技ではありませんでした。
一部のカヌーファンやカヌー競技に関わる人以外は、あまり注目され無かったのではないでしょうか?主にカヌー競技は、激流の中を下っていきゲートを番号順にくぐるスラロームと、直線コースを陸上競技のように一斉にスタートして競争するスプリントがあります。

オリンピックの歴史

そこで、オリンピックにおけるカヌー競技の歴史をかいつまんで少しご紹介してみたいと思います。オリンピックでのカヌー競技の歴史は意外にも長く、早い時期に正式種目として採用されています。
カヌー連盟としては、1924年にデンマークの首都コペンハーゲンにて、競技としてのカヌー種目の国際組織となる国際カヌー連盟が創設されました。
そして、後の1930年には待望の世界選手権が初めてとり行われました。その6年後の1936年に、第11回オリンピックベルリン大会でオリンピックの正式種目となりました。その後、2016年のリオデジャネイロオリンピックパラリンピック大会でパラリンピックの正式種目としても採用となりカヌー競技会が一気に盛り上がりを見せ始めました。

日本の歴史

日本の歴史
オリンピックベルリン大会に参加をする為、現地へ出向いた日本人のボートの選手団役員が、現地から組み立て式のカヤックを日本へ持ち帰った事により日本でのカヌー競技がスタートしました。持ち帰った理由としては、オリンピックベルリン大会の次の大会である1940年東京オリンピックに向けての準備でした。
当初の予定として、1938年に日本カヌー協会を設立して、1940年の東京オリンピックでは本格的にカヌーを競技として成立し、スタートさせる計画をしていました。しかし、その後に第二次世界大戦が起こってしまい、1940年計画の東京オリンピックは止む無く中止となってしまいました。結果、カヌー競技としての活動が一旦途絶えてしまったのです。
その後、第二次世界大戦終結後、落ち着きを取り戻した後に国際カヌー連盟に復帰を果たしました。その経験を生かして日本カヌー協会も続いて復活を果たし、オリンピックでも華々しく競技として本格復帰を果たしました。

羽根田卓也選手

日本で、決定的にカヌーが知名度を上げた理由は、なんといっても2016年のリオデジャネイロオリンピックにて、ミキハウス所属の羽根田卓也選手が銅メダルを獲得した事でしょう。この活躍で、日本でカヌー人気に一気に火が付きました。
さらに羽根田卓也選手の男らしい容姿や肉体美等意外な方面で、女性ファンの獲得にもつながったようです。一人の選手の人気度が上がる事によって、競技の人気に拍車がかかる事はマイナー競技にとってはとてもプラスになる事です。

種目の歴史

種目の歴史
現在のカヌー競技の本格的なスタートは、1964年東京オリンピックでの「フラットウォーターレーシング」です。この東京大会で、「フラットウォーターレーシング」が正式種目になりました。
カヌー競技の種目には複数の種目があります。片端にだけブレードがついている漕ぐ為のパドルで、カヌーの片側だけで漕いで進むカナディアンと呼ばれるカヌーと、両端にブレード付きパドルで両側左右交互に漕いで進んでいく一般的に知られているカヤックが使用されます。
1936年のベルリンオリンピックからフラットウォーターというスタイルが採用され、1972年のミュンヘンオリンピックからはスラロームが正式種目として採用されました。
1960年代以降にはグラスファイバーという素材のカヌーが誕生して、一気にカヌー人口が増えてスポーツとしてそして、スポーツ競技としても知名度もだんだんと向上していきました。

日本人選手の活躍と人気向上へ期待

人気競技に押し上げる為には、母国の選手の世界的な活躍、好成績を出す選手が増えていく事の他以外に方法はないように思います。選手のプレッシャーになるのはあまりよろしくはありませんが、世界で活躍出来る選手がいない競技に対してよほど自分がその競技に個人的に興味がある場合を除き、関心を持てるかと言えば持てないはずです。元々無関心な競技でも、世界選手権やオリンピックなどの国際大会でメダルを獲得する母国の選手が増えれば増える程、その成績から関心が生まれて競技自体にも興味を持つきっかけにつながります。

期待する日本人選手

日本にも羽根田選手以外にも国際的に成績を出している選手は意外にもたくさんいます。
矢澤 一輝選手はロンドンオリンピックでスラローム競技日本人初の9位に入りました。阪本 直也選手は、同じくロンドンオリンピックで8位入賞を果たしました。
女子選手でも、竹下 百合子選手は北京オリンピックではあと一歩でメダルに手が届く4位に入賞しています。これから好成績を収めそうな選手は他にもいるのです。
2020年東京オリンピックでも、羽根田卓也選手を筆頭にホームという事で応援も普段よりもひと際高まるはずです。母国開催という記念すべき大会での活躍を楽しみにしてみたいと思います。

カヌーの人気と競技種目の存続

カヌーの人気と競技種目の存続
羽根田卓也選手の活躍により、日本での知名度にはプラスになりましたが、オリンピックにおけるカヌー競技の位置づけとしてはかなり厳しい状況に置かれている事は今でも正直なところ変わりありません。
オリンピックの世界でも、競技として種目を見直したり、正式種目としての決定を下す際に大きな影響を与えるのは、その種目の知名度や人気集客率などは大いに関係があります。
数年前の正式種目の除外種目を検討する際、ワースト競技種目の中にカヌーの名前がありました。ワースト5位内に名前が残っていたのです。しかし、これから知名度を上げていこうという種目を残す方向に動きが働きカヌーは残留する事になり、難を免れました。
陸上競技、水泳、体操等の安定の人気競技を除き、さらにそれに加えて新しい競技としてスケボーなどの若者に人気の新興スポーツの競技も種目として採用され、そういった若者に人気の見ごたえのある競技は、人気になりやすい傾向にある為、そういった新興スポーツの人気が上がれば、押し下げられて正式種目圏外に外されてしまうという厳しい現状もあるのです。

夏季オリンピック大会という事で、灼熱の中でのスポーツ大会だけに水辺のスポーツという事もプラスに働くかもしれません。そういった意味では、日本で行われる東京オリンピック2020はカヌー競技にとってもチャンスともいえる大会である事は間違いありません。
ちなみに、日本でのアンケートでは現地観戦を含めて自宅観戦まで全ての方法で観戦する場合に、見たい種目は何かというアンケートでは、水上競技としては断トツ人気はご想像通り水泳です。水泳はこれから先も不動の人気といえるでしょう。カヌーはというと全体の7%程度約8%にとどまり下位の方である結果が出ています。やはりまだまだ人気という点では厳しいものがあります。

ルール・競技概要

ルール・競技概要
カヌーとは、河川や池、湖にコースを設置して、その区間内のタイムを競う競技です。カヌーには、激流を下る「スラローム」や複数のカヌーで競い合う「スプリント」などの16種目あります。

カヌーとカヤックの違い

その中でもオリンピック競技になっているのが、今紹介した「スラローム」と「スプリント」です。ちなみに、カヌーとカヤックの違いはなんだと言われると、見た目でわかるような大きな違いは「パドル」です。
カヌーは、片方に水かきがついたパドルを使われており、カヤックの場合は、両方に水かきがついているパドルを使われています。パドルの長さや大きさに規定はありませんが、カヤックの場合は、だいたいの選手が2メートルほどのパドルを使用しています。

カヤックとカナディアン

また、カヌーには操作方法も2種類あり、座ってカヌーを操る「カヤック」と片膝をついてカヌーを操る「カナディアン」とあります。例えば、リオオリンピックでは「羽根田卓也」選手が、日本人初めての銅メダルを獲得しました。そのカヌー競技は「カヌースラロームカナディアン」です。つまり、激流を片膝をついてカヌーを操って勝負する競技のことになります。
銅メダルを獲得した「スラローム」のルールを説明していきたいと思います。スラロームには、「スラロームカヤック」と「スラロームカナディアン」の2種類あります。

スラロームカヤック

スラロームカヤックは、ダブルブレードパドルのカヤックを使用した競技になります。男女別の競技があり、1人乗りのシングルと2人乗りのペアがあります。流れの激しい河川のコースに通過するゲートが設置されており、そこを通過するタイムを競い合います。
コースの長さは、「250mから400m」ほどあり、「18個から25個」のゲートが設置されています。ゲートは通過する順序が決められており、「ダウンゲート」と呼ばれる上流から下流に向かって通過するゲートと、「アップゲート」と呼ばれる下流から上流に向かって通過するゲートがあります。

スラロームカナディアン

スラロームカナディアンは、シングルブレードパドルのカヌーで競技を行います。こちらは男子のみしか競技はありません。クルーの人数によって分かれており、シングルとペアがあります。スラロームカヤックと同じく、激しい流れの河川コースで、設定されたゲートを通過してタイムを競い合います。コースはカヤックと同じで、全長「250mから400m」ほどで、ゲートも「18個から25個」ほど設置されており、通過順序が決まったダウンゲートとアップゲートがあります。
スラロームカヤックとスラロームカナディアンの2種類ある競技ですが勝利条件としては同じです。最短のタイムを争う競技なので、スタートからゴールまでいち早く到達した選手、チームの勝ちになります。

ペナルティ

基本的には、タイムの速さが重要なのですが、スラロームの醍醐味といえるのが、「ゲートを通過する際のペナルティータイム」でも勝敗が左右されます。ゲートに船体やパドル、体に触れると「2秒」のタイムペナルティがついてしまいます。ゲート自体が通過できなければ「50秒」のタイムペナルティがついてしまいます。また、決められた方向とは違う方向へ通過してしまったら、「不通過」となってしまい、50秒のペナルティがついてしまいます。

今回は、カヌー競技である「スラローム」のルールを説明してきました。カヌー競技には、スラロームだけではなく、「スプリント」など16種目も競技があるので、それぞれでルールを知っておくと楽しむことができます。羽根田卓也選手がリオオリンピックで銅メダルを獲ったことから、東京オリンピックでも注目されるカヌー競技のルールを学んで、楽しんでみてください。

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