フェンシングの歴史・種目・見どころから活躍が期待できる選手を今からチェック

フェンシングの試合 競技種目

フェンシングの歴史

フェンシングは身を守ることを目的として磨かれて発達した競技で、火器類の発達で戦場において実用性がなくなったものの繊細な動きが魅せられるようになって競技になっています。
古い時代からあり剣を使うため実践形式でやると危険でしたが、1750年に金網のマスクが開発されて大幅に緩和されました。
このことを引き金にヨーロッパ各地で盛んに競技会が開催されるようになり、オリンピックでは初回の1896年のアテネ大会以来現在に至るまで毎回正式種目になっています。
当初は競技方法やルールなどが統一されていませんでしたが、1914年にパリで開催されたIOC国際会議で競技規則が統一的になりました。以前は見解の相違などによる論争やトラブルなどが起きていましたが、ルールを統一したため一気に影を潜めて国際フェンシング連盟の規則書の原案となって国際性を確立することに貢献しています。
一方の日本では明治初年に陸軍戸山学校でフランス人教官より片手軍刀術として伝えられたことが始まりで、スポーツとしては昭和7年に岩倉具清がフランス留学から帰国して慶應義塾大学や法政大学などの学生に教えることから始まるなどヨーロッパよりも普及が遅れました。

フェンシングの種目

フェンシングの種目
オリンピックでのフェンシング競技は第1回の1896年のアテネ大会では男子のみ実施され、女子は1924年のパリ大会から女子種目も行われるようになっています。その後は徐々に競技数も増えて2008年の北京大会では男女それぞれ5種目の計10種目が実施されています。
2020年の東京大会では全12種目実施予定で、以下のような種目があります。
男子は

  • フルーレ個人
  • フルーレマスターズ
  • フルーレ団体
  • エペ個人
  • エペマスターズ
  • エペ団体
  • サーブル個人
  • サーブルマスターズ
  • サーブル団体
  • アマチュアエペマスターズ
  • シングルスティック

女子は

  • フルーレ団体
  • エペ個人
  • エペ団体
  • サーブル個人
  • サーブル団体

日本は1952年のヘルシンキ大会で視察員を派遣し、選手団の参加は1960年のローマ大会からになります。オリンピックの成績は1964年の東京大会で男子フルーレ団体が4位に入賞したことが最高でしたが、2008年の北京大会で男子フルーレ個人で太田雄貴選手が銀メダルを獲得しています。世界選手権では2007年に女子フルーレ団体が日本初の銅メダルを獲得し、2010年には男子フルーレ団体が銅メダルを獲得するなど世界に実力を証明して2020年の東京大会も期待できそうです。

世界の強豪国

オリンピックでのフェンシングのメダル獲得数はイタリアの金メダル49個を筆頭に合計で125が最多で、次にフランスが金メダル42個を筆頭に合計で118個と並び金メダル37個など87個のメダルを獲得したハンガリーが3強になります。そのほかの強豪国はロシア(ソビエト連邦)やドイツ(西ドイツ)、ポーランドなどヨーロッパ勢で、アジアは中国や韓国は金メダルを取っていますが日本は未だに銀メダル2つです。
競技の発祥地がヨーロッパのためこのような傾向がありますが、近年ではアメリカ合衆国やキューバなど他の地域の強豪国もあります。

日本人選手の活躍の歴史

日本におけるフェンシングの歴史は浅く、オリンピックにおいては次回の東京大会で60年になります。近年では世界選手権大会でメダルを獲得するなど躍進しているため、今後の展開がどのようになるか期待されるものです。
2008年の北京大会では太田雄貴選手が銀メダルを獲得したことで一躍話題になった競技ですが、銀メダル2個と世界には及ばないことが現状です。このため、次回の東京大会では半世紀ぶりに日本で行われ、選手の躍進が期待できそうです。

種目別の見所

種目別の見所
東京オリンピック2020でフェンシングはメダル候補として挙げられており、エペやフルーレ、サーブルなどがどのようなものであるか注目されています。
フェンシングは中世の騎士達による剣術が原型と言われ、日本では歴史が浅いものの剣道とよく似たスポーツのため人気が高いです。

エペ

エペは長いブレードと丸いお椀型のガルトが付き、曲がりにくく重たい剣を使います。全身全てが有効面で先に突いたら点数が入り、同時の場合は両者に入ります。ランプが点灯したらそのまま点数になるため分かりやすく、750G以上で突いた場合に反応します。

フルーレ

フルーレはしなやかなブレードを持つ軽い剣を使用し両腕と頭部を除く胴体が有効面で、剣のセンサーは500G以上の力で突いた場合のみ反応します。エペと違う点は攻撃権があり、先に仕掛けたほうに優先権が与えられて両者が同時に付けばある方に与えられます。このため、防御をしている側は剣を払うなど相手の動きを止めて攻撃権を奪うところが見どころで、エペよりも白熱した争いになります。

サーブル

サーブルは名前のとおりに斬ることをメインにした剣で、両腕や頭部を含む上半身が有効面になっています。エペやフルーレは突くことだけしかポイントになりませんが、サーブルは斬ることでもポイントになりセンサーは剣先だけでなく剣全体にあります。また、フルーレと同様に攻撃権があり、斬りがあるためにダイナミックな戦いを期待できます。
オリンピックのルールは予選では5ポイント、決勝トーナメントでは15ポイント先取が適用され、決勝では予選とは違って長く選手感の駆け引きを楽しめます。

ルール・競技概要

ルール・競技概要
フェンシングは、相手に攻撃を当てることで、一本先取になります。
剣先と防具の間に一定の圧力がかかると「有効」と判定されます。有効の場合は、「赤」か「緑」のランプがつき、無効の場合は、「白」のランプがつきます。

3つの種目

フェンシングでは、フルーレ」「エペ」「サーブル」という3つの種目があり、各種目によって判定が異なります。
フルーレの場合は、両腕と頭部を除いた胴体部分に、剣先が「500g以上」の圧力がかかると「有効」になります。エペは、全身のどこかに「700g以上」の圧力がかかること、サーブルは、両腕で含む上半身に剣先が当たれば「有効」になります。

攻撃手段

フェンシングの種目によっての違いは判定だけではなく、攻撃手段に関しても違いがあります。
フルーレの攻撃手段としては「突き」だけです。フルーレには、攻撃権があるため、攻防戦が繰り広げられます。エペも「突き」だけなのですが、こちらには攻撃権がありません。そのため、相手の攻撃を交わしながら突きだけで攻めることになります。サーブルは、フルーレと同様で攻撃権があり、突きの他にも「斬る」という攻撃手段があります。

勝利するには

オリンピックでは、個人戦の予選プールでは、「3分間で5本先取」した方が勝利になります。決勝ラウンドでは、「3分間×3セット」で試合が行われ、「15本先取」したら方が勝利になります。
規定の時間が過ぎても決着がつかなかった(同点だった)場合は、「1分間で1本先取」した方が勝ちになります。
攻撃する方と守備をする方に別れます。「フルーレ」と「サーブル」では、コイントスにより優先権を決めます。優先権を獲得した選手が先に攻撃して、そうでない方が自分を守ります。

団体戦

フェンシングの団体戦の場合では、1チーム「3名」で戦います。「3分間で5本先取」を1試合として、9試合行い、合計「45本先取」したチームが勝ちになります。
1チーム3名のため、1人あたり3試合をこなさなければなりません。9試合目までで、お互いのチームが45本先取できなければ、合計がリードしている方のチームが勝ちになります。
同点の場合は、先程説明した個人戦と同じように延長戦があり、1分間で1本先取した方が勝ちになります。
フルーレやサーブルの場合では、こちらも個人戦と同じく優先権をコイントスで決めます。

試合の流れと楽しみ方

フェンシングの一連の流れとしては、「ピスト」といわれる試合のコートに立って1対1で戦う競技です。
主審が「ラッサンブレー・サリュー」という掛け声をかけたら、プレイヤー同士が「礼」をします。お互いの挨拶が済んだら、主審の「アルガルド」との掛け声で、マスクを着用し、スタートラインにつま先を合わせます。
主審が「エト・ヴ・プレ」と言うと、プレイヤーは「ウィ」か「ノン」の返事を返します。「エト・ヴ・プレ」とは、「準備はいいですか?」という意味なので、プレイヤーはその質問に対し、「ウィ」が「はい」、「ノン」が「いいえ」で返答します。そして、主審が「アレ」の合図で試合が開始します。
試合が終わると、戦いを終えたプレイヤー同士で握手し、ピストから退出します。フェンシングのルールと一連の流れを説明してきました。
フェンシングは、男女とも同様のルールで行います。今まで説明したことを頭に入れておくだけで、フェンシングを楽しく観戦することができます。特に、「3分間で5本先取」した方が勝ちという部分と種目によって「得点の入り方や攻撃の仕方が違う」ことを頭に入れておきましょう。
フェンシングは人気のある競技の1つで、東京オリンピックでもメダルが期待されている競技なので、ぜひフェンシングのルールを覚えて楽しく観戦してみてください。

活躍が予想される選手

活躍が予想される選手

男子

日本のエペの名手は見延和靖選手で、世界ランキングで11位の実績があり2016年にハンガリーで行われたグランプリ大会で優勝して2020年の東京オリンピックでも活躍が期待されます。
フルーレの名手はフランスのエロワン・ル=ペシュー選手で、世界ランキングで3位の実績があり2002年の世界選手団体戦や2003年の欧州選手権の団体戦で1位を獲得し、2005年のワールドカップポルトガル大会で個人優勝を果たしています。

女子

女子フェンシングでは2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場した佐藤希望選手で、過去に世界ランキング38位を獲得し子育てをしながらオリンピックに出場するなどユニークな話題を提供しています。種目はエペで出場し173センチと高身長のため東京オリンピックでも期待できそうです。
青木千佳選手は過去に世界ランキング34位の実績があるサーブル選手で、全日本選手権女子サーブル個人で2013年と2014年に2年連続優勝しています。アジア選手権個人でも2015年に準優勝の実績があり、158センチと小柄ですが安定した実力があり期待できそうです。

女子フェンシングの海外選手はイタリアのバレンチナ・ベッツァーリ選手で、オリンピックでは個人団体合わせて金メダルを6回も獲得しています。2000年のシドニー大会、2004年のアテネ大会、2008年の北京大会では3連続の金メダルを獲得していますが、2016年のリオデジャネイロ大会ではないものの2020年の東京大会では再びメダル争いに加わってくると予想されています。

まとめ

このように、オリンピックでのフェンシング競技は海外選手がメダルを独占する傾向がありましたが、近年では2008年の北京大会で銀メダルを獲得した太田雄貴選手の登場から注目されるようになっています。このため、2020年の東京大会では自国開催のためメダル獲得が期待され、選手の強化をどのようにするか注目です。フェンシングは一瞬の動きが重要で、日本にとっては歴史が浅いですがメダルの獲得を期待できます。

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