日本の国技、柔道2020オリンピックでの飛躍・期待・歴史・ルールの確認

柔道 競技種目

オリンピック競技種目になるまで

柔道といえば日本の国技としても有名ですが、オリンピック競技種目になった大会は1964年の東京オリンピックからです。当時は軽量級、中量級、重量級、無差別級の4階級のみでしたが、日本は3個の金メダルを獲得しました。オリンピック競技種目の柔道では最初は男子のみで行われ、女子は1988年のソウルオリンピックでの公開競技を経て1992年のバルセロナオリンピックから正式種目になっています。

出場選手数と参加国数

出場枠はこれまでは世界選手権の成績などを考慮して、国や地域によって割り当てられてきました。近年では、柔道ランキング制度の導入により、上位の選手が出場資格を得るようになったことが特徴です。このため、国際大会に継続的に出場して実績を残した選手がが選ばれる傾向があります。
1964年の東京オリンピックで柔道が正式競技種目に採用されましたが、参加国数が27カ国で出場選手数は74名でした。その後、8年後の1972年に参加国数が46ヶ国と急増して出場選手数も159名と倍増します。また、回を重ねるごとに参加国数や出場選手数は増加し、1992年のバルセロナオリンピックで女子柔道が採用されて出場選手数も一気に増えています。

柔道の階級の変化

柔道の階級の変化
柔道の階級は当初は軽量級から無差別級まで4つでしたが、現在では男女とも体重別に7階級に分かれています。無差別級は1984年のロサンゼルスオリンピックで廃止され、ソウルオリンピックでは現在の7階級になりましたが体重の区分が変わりました。現在では男子は60キロ以下、66キロ、73キロ、81キロ、90キロ、100キロ、100キロ超になり、女子の場合は1992年から現在まで超軽量級と軽軽量級は同じですが、2000年のシドニーオリンピックで上の階級の区分が変わりました。

試合形式・ルール・競技概要

試合はトーナメント方式で決勝戦で勝利すると優勝で、準決勝で敗退した2名と準決勝に進出した4名の選手に直接敗れた選手による敗者復活戦で3位決定戦が行われます。試合時間は4分間で時間内に決着が付かないと延長戦が行われ、何らかのポイントを先取した選手が勝者になります。
柔道は、選手同士が戦いの舞台となる畳の上で、技を掛け合い、どちらが先に技を決めたかを主審が判断し1本を取るかというスポーツです。技の種類には大きく区分けすると投げ技、固め技の2種になります。

投げ技

投げ技は相手の体制を大きく崩し、相手の背中をたたみに押し当てることで技が有効とされ1本となります。
投げ技に関しては、投げる速度及びフォームも判断され、数あるフォームの中からきちんと形が整っており速度が十分に乗っているかなどを判断した上で1本とするかどうかを主審が判断します。

固め技

固め技は、抑込技、絞技、関節技のうち、どれかの技を相手の選手にかけ、相手が降参を示す合図を送るか、相手の動きを完全に塞ぎこんだ上で20秒押さえ込むことで有効とされます。

柔道の1本

柔道の1本
柔道での1本とは完全に技が決まり、申し分ない条件で相手を倒したことを1本と呼びます。投げ技の場合、綺麗に速度に載せた状態で相手を畳の上に背中から投げ落とした際に1本とされ1本となった選手は即座に勝ちとなります。固め技は相手を締め上げ参ったと降参させるか、20秒間相手を締め固めることで1本となります。

技あり

投げ技の場合速度、フォーム、背中から落ちたかどうかという3つの要素があり、どれか一つだけ掛けた場合、投げ技は1本とならず技ありとなります。1本ではありませんので技ありとされ、後の判定による勝利のポイントとなります。固め技の場合は、相手が参ったをせず、20秒ではなく15秒しか押さえ込めなかった場合、技ありとされます。現在では固め技は2016年のルール改正により、10秒押さえ込むことで技ありとされます。

有効

投げ技では、速度、フォーム、背中から落ちたか同化の要素のうち二つかけてしまうと有効と判断され、こちらも後のお互いの選手が1本を取れなかった場合、ポイントとして計算する要素になります。固め技については10秒しか押さえ込めなかった場合、有効となります。ですが、この有効のルールは2017年に廃止されたルールになります。
改正されるルール改正案として東京オリンピックでは男子女子混合による団体競技を行うとの記載があり、東京オリンピックから初めて男女混合型の階級に沿った団体戦を開始するとのことです。階級ごとにそった団体戦をしますので、男子73kg級、90kg級、90kg超級、女子57kg級、70kg級、70kg超級の中から団体戦をします。

より積極的な柔道へ

より積極的な柔道へ
他にもより攻撃的になるルール改正案を提示する可能性も高く、消極的な姿勢で取り組んだ場合、指導を与えるのですが、その回数を大幅に減らし、3回の指導で失格となるところを2回目で即失格と改正する可能性もあります。このような問題が起きたのは、消極的な試合展開で技ありなどのポイントを取るだけ取り、後は間合いを取り試合から逃げるという方法でポイントにより勝ち越しを狙う選手が増えた為です。また試合として柔道の精神として反しているということもありルールが改定されました。ですので、相手の技などに対しても極端な高さから落とすなどといった行為は反則とされます。
試合時間の短縮化2016年から試合時間が男子は5分から4分になり女子と同じ競技時間になりました。また固め技の技ありも10秒へと短縮され試合時間の短縮化が盛り込まれています。このように協議時間を短縮させスピードを重視した試合展開が今後も続くとされています。これは柔道に置いて消極的な試合運びをさせないための措置であるとされています。ルールの改正については国際柔道連盟が一任してルール改正を行います。

国別メダル実績

各国のメダル数は日本が84とトップで、上位勢はフランスが49、韓国が43です。中でも日本は歴代で39個の金メダルを獲得し、メダル獲得が一番期待できる競技種目として注目されています。日本の野村忠宏選手は金メダルを3つ獲得し、谷亮子選手は金メダルを2つ、銀メダルを2つ、銅メダルを1つ獲得するなど日本人選手が躍進しています。

オリンピックの日本人の実績

オリンピック
1964年の東京オリンピックでは男子軽量級の中谷雄英選手、1972年のミュンヘンオリンピックでは軽中量級の野村豊和選手が金メダルを取りました。
1992年のバルセロナオリンピックでは山下泰裕選手が無差別級で優勝し、この大会を最後に無差別級が廃止されています。1992年のバルセロナオリンピックでは吉田秀彦選手が78キロ級で、2000年のシドニーオリンピックでは井上康生選手が100キロ級で優勝しました。2004年のアテネオリンピックでは男子66キロ級で内柴正人選手、女子63キロ級で谷本歩実選手、女子78キロ級で塚田真希選手が優勝し、谷本歩実選手は2008年の北京オリンピックでも優勝しました。
このように日本人選手がオール一本勝ちで優勝するなど快進撃をしていますが、最近では海外の選手に敗退するため金メダルが難しくなっています。柔道は日本の国技のため以前は強くて当たり前のような感じでしたが、最近では苦戦が続いています。2020年の東京オリンピックから男女各3名の混合団体戦が行われ、どのような展開になるか注目されます。

2020年の東京オリンピック男子の展望

バスケット展望
柔道の展望は前回大会の2016年のリオデジャネイロオリンピックの代表の結果を参考に、新戦力を含めて最近の世界選手権などの活躍で期待ができます。
前回大会は金メダルが男子の90キロ級でベイカー茉秋選手、男子73キロ級で大野将平選手、女子の70キロ級で田知本遥選手の3つで、銀メダルは100キロ超級で原沢久喜選手が獲得しました。銅メダルは男子では100キロ級で羽賀龍之介選手、81キロ級で永瀬貴規選手、66キロ級で海老沼匡選手、60キロ級で銅メダルと全員が獲得し、日本の国技として世界に証明しました。

一方の女子では78キロ超級で山部佳苗選手、57キロ級で松本薫選手、52キロ級で中村美里選手、48キロ級で近藤亜美選手で、素晴らしい活躍をしました。
この結果を踏まえて展望すると平成30年度のA強化選手に原沢久喜選手や高藤直寿選手が含まれ、昨年夏に行われたバクー世界選手権で66キロ級で優勝した阿部一二三選手がメダルに近い存在として注目されています。一方のB強化選手にはリオデジャネイロオリンピックの金メダリストもいるため、代表争いは熾烈なものです。男子の東京オリンピックの代表はA強化選手とB強化選手の中から選ばれる可能性があり、白熱したものになりそうです。

女子のA強化選手は63キロ級の田代未来選手が前回大会に出場し、バクー世界選手権では48キロ級で渡名喜風南選手が準優勝、52キロ級で阿部詩選手が優勝、志々目愛選手が準優勝、57キロ級では芳田司選手が優勝、63キロ級では田代未来選手が準優勝、70キロ級では新井千鶴選手が優勝、78キロ級では濱田尚里選手が優勝、78キロ超級では朝比奈沙羅選手が優勝と好成績を残しています。B強化選手で前回大会に出場した選手は78キロ超級の山部佳苗選手、78キロ級に梅木真美選手、48キロ級の近藤亜美選手がいるため、勢力図が変わっています。

2018年11月グランドスラム大阪

2018年11月に行われたグランドスラム大阪では

優勝

  • 60キロ級で永山竜樹選手
  • 66キロ級で丸山城志郎選手
  • 73キロ級で大野将平選手
  • 81キロ級で佐々木健志選手
  • 90キロ級で向翔一郎選手
  • 100キロ級でウルフアロン選手

で、注目の阿部一二三選手は銀メダルです。

女子

  • 48キロ級で渡名喜風南選手
  • 52キロ級で阿部詩選手
  • 63キロ級で土井雅子選手
  • 70キロ級で新井千鶴選手
  • 78キロ級で佐藤瑠香選手
  • 78キロ超級の素根輝選手は銀メダル

全日本柔道連盟より

です。

全日本選抜柔道体重別選手権大会

最新の全日本選抜柔道体重別選手権大会は

優勝

  • 60キロ級で永山竜樹選手
  • 66キロ級で丸山城志郎選手
  • 73キロ級で大野将平選手
  • 81キロ級で永瀬貴規選手
  • 90キロ級で向翔一郎選手
  • 100キロ級で羽賀龍之介選手
  • 100キロ超級で原沢久喜選手
  • 女子では

    • 52キロ級で角田夏実選手
    • 57キロ級で芳田司選手
    • 63キロ級で田代未来選手
    • 70キロ級で大野陽子選手
    • 78キロ級で濵田尚里選手
    • 78キロ超級で素根輝選手

    全日本柔道連盟より

です。

まとめ

柔道の展望
平成31年度全日本柔道選手権大会でウルフアロン選手が優勝し、東京オリンピックに向けて良いアピールができました。
以上の大会の結果から2020年に56年ぶりに日本で開催される東京オリンピックで柔道はメダルに近い競技で、国技としてもアピールできるように期待できそうです。最近の柔道の傾向は新しい選手が出てくるため、以前と比べて世代交代が進んでいます。女子では57キロ級でメダルを獲得した松本薫選手は引退し、世代交代が行われますが世界大会の結果を見ると安定しているといえます。
柔道は体格が良い外国人選手に押され気味ですが、日本の国技として少しでも多くのメダルを獲得することが期待できます。

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